耐震工法とは、筋交いや面材によって強度を高めて、地震の力に耐える方法です。
建築基準法で定められている建物の強さ(耐震等級1レベル)では、1923年の関東大震災クラスの地震に耐えられるよう決められています。
しかし、1995年の兵庫県南部地震では、想定を大きく超える地震波(818gal)が観測され、より強い強度が必要となりました。これがきっかけで作られたのが、耐震等級2と、耐震等級3です。耐震等級3では、建築基準法想定の1.5倍の地震に耐える強度を有しております。
星住宅リフォームの耐震改修で採用している工法「ミューダム」は、内鋼管と外鋼管が刀と鞘のように二重構造になっていて、スライドできる筋交いです。
そのスライド部分にボルトで強く締め付けたアルミ板を仕込んでおり、地震時に伸び縮みをして摩擦し、そこで金属流動という現象が起きます。
一般的な摩擦は接触面で滑り、摩耗し、粉がポロポロ落ちて滑りの抵抗力が低下しますが、金属流動(※1)はそれが一切なく、ほとんど抵抗力が低下しません。
この抵抗力で地震エネルギーが熱エネルギーに変換され、揺れを減らすのです。
(※1)金属流動とは
アルミと鋼材を強く押し付けたままスライドさせようとした時、両者の接触面が焼き付き、完全接着され、それでも無理やりスライドさせた時、鋼材より柔らかいアルミが、グニュグニュと動き始める現象のことです。さらにスライドを繰り返しても、アルミは餅のように揉まれて、その摩擦抵抗力を保持します。
ミューダムは、従来のゴム系ダンパーやオイル系ダンパーとは異なり、温度や速度に依存せず、安定した性能を発揮します。大地震時、最大の最大の揺れ幅を85%低減します。
左記の図は、1995年の兵庫県南部地震を再現した振動台実験(下記動画参照)の結果をグラフにしたものです。従来の木製筋交いをミューダムに入れ替えると、最大の揺れ幅が85%も減りました。
ミューダムは、夏冬の温度や地震の揺れの速度変化に対して性能が変わらず、安定した性能を保持します。それゆえ、国土交通大臣の認定を取得しています。
認定壁倍率は、ミューダムRB:2.2倍、ミューダムRL:2.3倍、ミューダムRH:2.2倍、ミューダムZB:4.1倍、ミューダムZL:4.1倍、ミューダムZH:4.0倍の6つです。
また、Rシリーズ(RB・RL・RH)は新築及び改修に、Zシリーズ(ZB・ZL・ZH)は新築のみに対応しております。
制震テープは、高層ビルの制振装置に用いられる粘弾性体(※2)を、木造住宅用として両面テープ状に加工したものです。110年間以上の高い耐久性を有し、何度同じ地震が来ても、ほぼ同じ変位を保ちます。
右のイラストのよういに、大地震時に柱・梁は平行四辺形に変形しますが、面材は長方形のまま抵抗するので、これらの間にズレが生じ、柱・梁と面材を固定している釘が曲がったり、折れたりします。このため住宅全体が緩み、地震の度に変位がドンドン大きくなっていきます。
厚さわずか1mmの制震テープをこのズレる部位に挟むことによって、粘弾性体がグニュグニュと揉まれます。揉まれることで振動エネルギーを熱エネルギーに変換し、住宅の揺れを軽減させます。
(※2)粘弾性体とは
粘性と弾性の両方を合わせた性質のことです。身近なもので言うと、ガムやゴム、生たまご、スライムもそれに属します。セロハンテープの糊の部分も粘弾性です。
耐震診断が可能な木造住宅は在来軸組構法(柱・梁などの主要構造部材が木材の軸組みによって作られている)や枠組壁工法(通称:ツーバイフォー工法)及び伝統工法(木と木の組み合わせで作られている)となります。
鉄筋コンクリート造や鉄骨造、木質系プレハブ工法や丸太組工法の住宅は対象外とさせて頂いております。
星住宅リフォームでは、簡易診断を無料にて診断させていただいております。詳しくはお問い合わせください。